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口臭が体に与える悪影響

世間では口臭=単なる匂いの問題と捉えられがちですが、実はそうではありません。

口臭は各種病気のサインでもありますし、それ自体が体に致命的な悪影響を及ぼす可能性もある厄介な存在です。

そこで、このページでは口臭が人体に与える様々な影響について説明します。

緊張すると口臭がキツくなる

口臭の主な成分は「揮発性硫黄化合物」という物質です。これは卵が腐ったようなにおいの硫化水素や、メチルメルカプタンやジメチルサルファイドといった腐敗臭のまじったもので、プラーク(歯垢)や歯石に棲む細菌がそうした不快なにおいを発するのです。

さてその口臭ですが、ある日、仕事で大事なプレゼンを任されたとします

発表の前には誰でも緊張しますね。口の中がカラカラに乾いて、言葉をなめらかに話しにくくなって、心なしか唾液が粘ついているような……そんなときは口臭もきつくなっています

もしプレゼンやスピーチの前、あるいは就職面接など特別なシチュエーションにおいてまったく緊張しないという人であればこの限りではありませんが、 一般的には、そうした場面でストレスや緊張を感じた場合は、誰にでも口の中が乾く症状が現れます

というのも、ストレスや緊張は交感神経を優位にし、唾液分泌を低下させるからです

唾液には殺菌作用や回の中のうるおいを保つ働きがあるので、口の中が乾くと菌が繁殖しやすく口臭が強くなってしまいます

唾液分泌の活動を担っているのは自律神経で、刺激を受け交感神経が優位のときには分泌されにくくなり、分泌されてもネバネバした唾液になってきます

反対にゆったりとリラックスしているときは副交感神経優位で、唾液分泌も活発で唾液の質も水のようにサラサラしています

つまり、日臭を防ぐには、リラックスして副交感神経優位にし、サラサラの唾液をたっぷり出して口の中を潤しておくことが大事です。

自律神経の調整のためにはストレッチゃ軽い運動なども効果的です。また、唾液の材料となる水分補給もこまめにしたいものです

唾液を出す簡単なマッサージ

もし先のような状況で緊張しそうなら、唾液腺を活性化させる簡単なマッサージをしてみるといいでしょう

舌先でぐるぐると唇の裏側や歯肉を刺激したり、顎下腺や耳下腺を指で押してみます

耳下腺はえらが張った部分の真上、耳たぶの下あたりにあります

人差し指から小指までの4本をはほに当て、その位置から後ろから前へ円を描くように優しく刺激します

顎下腺は、下あごの骨の内側、押すと柔らかい部分にあります。あごの真ん中くらいからあご下まで親指で軽く押していきます

即効性のあるマッサージで、すぐに口の中が潤ってくるのでおすすめです。

口臭が原因で歯周病やがんになる?

研究によれば、口臭物質には歯ぐきのコラーゲンを減らす作用があるそうです。

コラーゲンの減少は、歯ぐきが痩せてもろくなり、また骨そのもののしなやかさを失わせてしまうことを意味します

なぜなら口臭物質は、歯周組織に関連する部位の細胞を、あるメカニズムで死減させてしまうからです

細胞自らが進んで死んでいく現象を「アポトーシス」と言いますが、口臭物質は、歯ぐきの粘膜や、歯と歯ぐきの結合部分の組織、それらの細胞組織のもととなっている幹細胞、歯槽骨の形成を行う骨芽細胞などに、アポトーシスを起こさせてしまうのです

加えて、破骨細胞という骨を壊す作用がある細胞を、通常の代謝よりも多く誘導してしまいます

骨は通常、新しい成分と古い成分の吸収排出が骨芽細胞と破骨細胞によってバランスよく行われているのですが、破骨細胞生成が優位だと、骨粗霧症のように骨がもろくなります

口臭と歯肉の関連性

これまでは骨を壊す破骨細胞の形成には「ランクL」と呼ばれるタンパク質が必要だと考えられてきました

近年、口臭物質とその破骨細胞の密な関連性が突き止められました。口臭物質は、前出のランクLを作って破骨を誘導する性質があること、そのランクLを作り出すルートを介さずとも直接破骨細胞を作ること、さらに、ランクLなしに生成された破骨細胞はとても強力だということが発見されたのです。

口臭物質は同時に、骨を作るほうの細胞、骨芽細胞の機能を低下させる働きもあります。壊すスピードが速くなり、作るスピードが滞れば、骨はどんどんやせ細っていきます

それだけでなく、口臭物質はヒト歯肉の細胞に莫大なDNA損傷を与えることも実験で明らかになっています

歯肉に口臭物質を与えると色が変わり腐り始め、48時間で決定的に変質してしまいます

それは、細胞のDNAが破壊され「がん化」してしまうのを防ぐため、歯肉の細胞がアポトーシスしてしまったためです

現在ではさらに口臭物質ががんの発生を起こす可能性があるという仮説のもと、研究は進めているそうです

口臭は人を不快にさせるだけで、自分に健康被害はないと思っている人が大半でしょう

しかし、研究によれば口臭が体に何らかの影響を与えることは間違いなく、口臭検査をするときの国内の空気のにおいの濃度が10ml(ミリリットル)あたり5ナノグラム以上あれば悪影響が出ます

これはにおいのレベルで言えば、ちょっと口臭がある程度なので当てはまる人は少なくないと思います

口臭を放っておかないことは、歯周病予防やがん予防にも有益だといえるでしょう

歯周病の口臭が肌にダメージを与える

ちなみに、歯周病の方もその多くに特有の口臭があります。歯肉炎程度でも、口臭が強くなったといわれるでしょう

口臭の成分は歯や舌にもあるのですが、歯周ポケットにそれらが付着しているといっそう生成量が多くなります。そのため、歯周病ではいっそう口臭がしてきます

恐ろしいのは、歯周病が口臭を作るだけでなく、口臭のもとになっている物質が歯周病を促進させてしまうという悪循環に陥ることです。

ちなみにこうした口臭物質は30分ほどで口腔粘膜から透過して、肌細胞の表面、表皮にまでたどり着きます

考えてみれば、口臭物質である「硫化水素」は人が死亡することもあるほどの猛毒です

それが肌のコラーゲンに吸収されれば、ダメージを与える可能性も当然ありますよね。口臭が健康な肌さえ奪ってしまうかもしれないのです

口臭は歯磨きだけでは改善しない

最新の研究によれば、口臭の原因の60%が舌苔によるものです。プラークも口臭の原因になりますが、いくら歯磨きを徹底してプラークをきれいにしても、舌苔を除去しなければ口臭予防としては40%しかケアできていないことになります

舌苔とは、舌の表面の後方中央部分に自くたまった汚れです。なぜ口臭が発生するのかと言えば、口の中の剥がれ落ちた粘膜組織や食べかすなどが口の中の細菌と混じって舌の乳頭という無数の突起の間に入り込み、不快なにおいのもとである揮発性硫黄化合物(VSC)を作り出すからです

口臭を発生させる嫌気性菌は、虫歯やプラーク、歯周病ポケット、舌苔の中に潜んでいます。嫌気性なので唾液はたっぶり出ていて口の中に酸素がふんだんにあるとにおいません

しかし口の中が乾いて酸素が少ない状態では菌が活発になってしまいます。口臭が気になったときには歯磨きをしたり、ガムや洗口液など市販の対策グッズを活用している人は多いでしょう

しかし、市販のマウスウォッシュなどは香料の作用で口臭除去した気分になるだけのものも多く、効果的な対策とはいえないと指摘されています。ガムも同様です

VSCは、舌苔の中にあるタンパクや唾液タンパクなどの成分によって、通常は舌の上でコーティングされています

しかしシュガーレスガム(キシリトールガム)を噛むことで、それがかき回され、唾液フイルムが剥がれ落ち、においが拡散してしまいます。シュガーレスのガムを食べる前と後では、10%口臭が強くなったというデータもあります

一方、砂糖入りのガムを食べると口の中が酸性に傾きます。悪臭物質は酸性では揮発しないので、口臭物質はガス化しません。虫歯の多い子には口臭がないのですが、それは口内が酸性だからです。

だからといって口臭予防には砂糖入りのガムがいいと思うのは短絡です砂糖が口の中に入ると、脱灰が始まるわけで、やはり口臭予防はふだんから対策しておくのがいちばんです

口臭予防には舌掃除が一番

舌苔はほとんどの人にあるものですが、他の複合的な要因が合わさって、より強くにおうことになります。

たとえば、歯周病があると、剥がれる細胞内膜が増えて舌苔がたまりやすくなりますし、ドライマウスは口臭を強くします

通常、舌苔は食べ物を飲み込むときなどに一緒に掃除されるのですが、よく噛まないで食べると掃除が充分にできません

病気などのために食べ物を噛んで飲み込むのではなく、点滴やチューブなどで栄養分を流し込み続けていると、舌苔は層を成してたまっていきます

口臭予防には、柔らかい毛を使用した舌ブラシや、舌専用クリーナーなどで、舌苔を除去するケアが必須です

完璧な口臭予防を目指すなら、半年に1回は、PMTC(歯科クリニックで行う歯のクリーニング)を受け、日常では舌苔掃除を新しい習慣にしましょう

1日朝1回でOK、数日おきでもしないより効果があります

塩化亜鉛入りの洗口液もおすすめ

塩化亜鉛はにおいの原因である揮発性硫黄化合物のVSCと結びつくと揮発性を失います。それは細菌の働きを阻害し、VSCの産出そのものを阻害してくれるからです

市販品で塩化亜鉛入りの洗口液は「ジョンソン・エンド・ジョンソン」の「リステリンターターコントロール」くらいしかないのですが、これはドラッグストアで購入できます

また、市販品では、「BREO」(江崎グリコ)という「舌みがきタブレット」は舌苔除去に有効ですので活用してみてください

一方、口臭は、人に不快感を与えるだけでなく、がんの発見経路にもなります。舌がんはまっさきに呼気に異常が出ますので、欧米では歯科医師の治療範囲です

舌がんは進行すると後遺症が大きいので、早期発見が重要になります

世界中には麻薬大ならぬがん探知犬がいて、がん探知犬は呼気によってさまざまながんを発見します。乳がんや肺がん、大腸がん、子宮がんも呼気で発見できる可能性があります

なぜ呼気で発見できるかと言えば、がんは自分が増殖するために、非常にたくさんの生理活性物質をつくります

それは血中に必ず溶け出し、血流に乗って運ばれます

肝臓を通れば、濾過分解される可能性もありますが、 “肝臓を通らず心臓や肺にダイレクトに入っていく場合、肺から呼気として出てくるわけです

口臭の原因がどこから来ているか、 ヘルスチェックすることも重要です

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