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日本人は歯が悪い人が多い

このホームページを見ている人はおそらくオーラルケアに対する意識も高いので大丈夫だと思いますが、実は日本人って歯の健康管理が滞っている人がすごく多いそうです。

その証拠に成人の8割以上は歯周病と無縁ではありませんし、他の先進国と比べても80歳時の歯の残存数は少ないことが明らかになっています。

そこで、このページでは日本人の歯はどうして悪いのか、というお題について、データを交えながら解説します。

日本人は歯の健康状態が悪い人が多い

日本でキシリトールが食品添加物として認可されたのは1997年。この97年は、日本人の歯の健康管理に対する考え方ががらりと変わった年です。

キシリトール入リガムが、ドラッグストアやキオスクなどでも簡単に手に入るようになったのは大きな進歩でした

日本は、アメリカもうらやむ皆保険制度に守られているため、アメリカなどに比べると歯科治療にかかる個人負担は格段に安いことは有名です。

しかし、日本の保険制度は「疾病保険」といって病気になった人を対象にしているため、予防をしたいと思っている人には、多くの予防処置が保険外となり、治療より予防のほうがお金がかかる、といった少々困った問題もでてきています

そのため患者さんの中には、ニューヨークに転勤中であっても、歯の治療は日本で行うために一時帰国される方がいるくらいです。(冗談みたいな話ですがホントです)

社会歯科学の観点からは、人はお金の安いほうに流れるという大原則があるため、予防は安く、治療は高い国にすると、人々は安い予防を選ぶようになるといいます

しかしながら、日本では虫歯を抱えた人がまだまだ多いため、疾病保険で恩恵を受ける人が多く、なかなか予防保険に踏み切れない事情もあるようです

そのため日本では、歯が痛み出して初めて歯科医院に行く人も多く、近年減ってきたとはいえ12歳児の虫歯の経験歯数は先進諸国の中では多いほうなのです

この不名誉は、キシリトールやフッ素の入った歯磨き剤などが利用できなかったことも大きいと考えられます。

フィンランドでは、キシリトール発祥の地ということもあり、れっきとした予防食品として認知されています。

またアメリカやフィンランドの軍隊では、歯磨きができない状況を考え、軍人たちの正式な装備の中にキシリトールのガムが入っているほどです

しかし日本では、キシリトールガムはお菓子として売られているため、なかなか義務教育の現場では活用できません

とある小学校では1日1回給食後に、キシリトールタブレットを食べてもらうようにしたら口内のプラーク重量が減ってきたという研究結果もあるほどです。

もっと身近にキシリトールが活用できれば、日本人の歯の健康に役立つのでは、と期待しています

大人が歯を失う二大原因は、歯周病と虫歯

年を取れば歯は抜け落ちるもの、と思っている人は多いかもしれません。しかし、歯は加齢のせいで抜けるわけではありません

昔から「歯の喪失は老化の始まり」といわれていますが、多くの人は、「歯を失うことは老化のせいなので防ぎようがない」と間違った理解をしているようです

歯を失う原因のトップは歯周病で、全体の約4割。次いで多いのは虫歯による抜歯で約3割です。7割以上の人が虫歯か歯周病に起因して歯を失うことになります

この二大疾患の原因は、どちらもプラーク(歯垢)です。プラークは、細菌の塊だとイメージしていいでしょう。

虫歯も歯周病もこの細菌が原因ですが、どちらも口移しなどによる人から人への感染がいちばんの要因です。そういう意味では虫歯も歯周病も「感染症」といえます

虫歯は世代によってその病態が異なる

10代までの若い世代はまだエナメル質が未成熟で弱く、感染した虫歯菌によって表面が溶かされて虫歯になりやすい年齢です。

しかし、大人になるとエナメル質が硬くなるため、新たな虫歯にかかるケースは、それほど多くありません

治療した歯が再び悪くなる二次虫歯や65歳以上の高齢者では歯肉が下がってくるために歯の根のセメント質が削られる「根面う蝕」が中心になります

「大人の虫歯」とも言える「二次虫歯」は、治療で入れた詰め物や、かぶせ物のわきから少しずつ進んでいきます

見つけにくい虫歯ですし、もし神経を抜いている歯であれば、どんなに虫歯が進んでも痛みは感じません

気づいたときには、相当深く虫歯が進行していることが多く、抜かなければいけないということも少なくありません

一生ものと思われがちな、歯の詰め物やかぶせ物ですが、実は耐用年数があります。

年を経るにつれて傷むので、歯との間に隙間が生じることがあります。ここから虫歯が発生しやすくなるのです

歯周病は、主に歯周ポケットが深くなり始める30代以降に感染が増えてくるので、その世代からのケアが重要です

とはいえ、歯周病にしろ虫歯にしろ、昨日今日で突然なるわけではありません。歯肉炎や初期虫歯などは、かかっても適切な処置で回復できます

現在では科学的根拠に基づい タたケアによって、そうした歯のトラブルはかなり高い確率で予防ができるようになっています

35歳以上の7~8割が歯周病菌感染者

歯周病の成り立ちには、プラークの生成に加え、細菌感染が関わっています。歯周病を引き起こす細菌は5~10種類ほど見つかっていて、こうした細菌が強く結びついた歯周病菌に、現在35歳以上の日本国民の70~80%が感染しているといわれています

しかし、口内には随時何百種類もの常在菌がいますし、感染を完全に防ぐことは困難です。

事実、それらの歯周病菌に感染したからすぐに発症するわけではありませんが、歯磨きを怠るなどして、口の中が不衛生な状態が続くと、歯周病菌が増殖して歯周病が発症します歯周病が進行しないような国内の環境づくりが歯周病予防にはずっと大切なことです

タバコは歯周病の危険を高める

歯周病の罹患率を、喫煙者と非喫煙者とで比べると、喫煙者が3~8倍多いと言われます。また、喫煙者は非喫煙者に比べ、中度~重度の歯周病患者の割合が高くなっています

一生のうちに吸うタバコの本数と、失う歯槽骨の量は正比例しているという報告もあり、ヘビースモーカーほどひどい歯周病に悩んでいるといえます。

タバコのエコチンや一酸化炭素は毛細血管を収縮させ、低酸素状態にします

すると歯肉の血行が悪くなり、その結果、歯肉の免疫力が低下して歯周病菌に感染しやすくなります

さらに粘膜からも毛細血管を介して有害物質が体内に流れ込んできます

喫煙者の血管は血流の最果てにある歯ぐきの生命線(ライフライン)が断たれ、しかもニコチンなど毒性物質をダイレクトに吸収しているイメージです

そのため喫煙者は歯周病の進行が早く、また、タバコを吸い続けていると治療してもなかなか改善されません

そのため、喫煙者の歯周病手術は歯科医師から断られてしまうケースが多々あります

吸い続けていると、せっかく手術をして炎症の原因物質などを取り除いても、すぐに再発してしまうからです

歯周病治療をするなら禁煙は必須です。人間には治癒力があるので、喫煙をやめれば歯ぐきの血行などは回復し、歯ぐきは元気になっていきます。歯周病治療の中心的役割を担う歯科衛生士が禁煙支援など行っている歯科クリニックもあります

自分の歯周病をチェックする方法

歯周病のなり始めには痛みなどの自党症状がほとんどありません。そのため知らず知らずに進行してしまい、取り返しがっかなくなることもぁります。

以下の項目に当てはまるものがあれば、歯科医院で検査をしてもらいましょう。初期の歯肉炎のうちに治療を始めるのが短期間に治癒させるコツです。

また、定期健診のときなどに、歯周病の診断を受け、歯石除去や歯のクリーェング、正しい歯磨きを続けることで進行を阻止し、歯ぐきの健康を取り戻すことができます。

歯の健康度、チェックリスト

  • 歯を磨いても日臭が気になる
  • ブラッシング時に歯プラシに血がつく
  • 朝起きたとき日の中がネバネバする
  • 歯が長くなった気がする
  • 堅い食べ物を噛んだとき違和感がある。歯ぐきから出血する
  • 歯ぐきが赤みを帯びている、腫れている
  • 歯と歯の間に食べ物が詰まりやすい
  • 歯がぐらぐらする
  • 煙草を吸う

以上の項目に一つでも該当する人は、歯科医院で「プロービング検査」を受けましょう。この検査は、「ポケツトプローブ」と呼ばれる目盛りのついた探針を使い、歯周ポケットの深さを測るものです。

歯周ポケットは、歯と歯肉の境目にある隙間。そんなところに針を刺して痛くないのかと思うかもしれませんが、痛みを感じない範囲までを測定するので、実際に痛みはほとんどありません。

プローブを歯1本につき周囲4~6ヵ所に差し込み、それぞれの深さや出血の有無を調べます。歯周ポケットの深さが4皿以上に達していた場合は、歯周病と診断され、本格的な歯周病治療が必要になります。

歯周病の治し方

最後に、現代病でもある歯周病にどう立ち向かって対処していくかを簡単にまとめました。

基本的に今すぐ実行できるものだけをピックアップしたので参考にしてみて下さい。

1、歯磨きをしっかりやる

歯周病の原因は、歯周病菌などの細菌のかたまりであるプラーク(歯垢)です。プラークーミリグラム中には約1億もの細菌が生息しており、これは人のウンチと同程度の細菌密度なんですよ。

そうと知ったら、皆さん今日から必死に歯磨きを行うのではないでしょうかつ・歯周病を予防する一番の方法は、歯周病菌のかたまりであるプラークを歯周ポケット付近に近づけないことです。

具体的には1日2回以上、歯と歯ぐきの境目を中心に丁寧にブラッシングします。(具体的な方法は113ページの「効率的な磨き方」をお読みください)

2、歯石除去をしっかりやるい

歯周治療の第一のステップはそうしたプラーク・コントロールですが、歯周ポケット内の歯根面に付着した歯石を丹念に取り除くことも非常に大切な歯周治療です。

プラークが石灰化した歯石があると、さらにプラークがからまりやすいので要注意です。

プラークや歯石がひどく付着していれば、歯科クリニックで「スケーリング(歯石除去とを受けるようおすすめします。

スケーリングは、プラークが石灰化して歯根の表面にこびりついた歯石汚れをスケーラーという器具を使って取り除く施術です。日に見える歯の表面や歯と歯ぐきの境目にある汚れだけでなく、歯周ポケットが深くなっていればその奥も行う必要があります。

歯周ポケット内の表面からは見えない部位の歯石などを除去し、取った後のざらざらになった歯の表面をつるつるな状態に研磨することを、ルートプレーニングといいます。

これら歯石除去の治療を総合的に「SRP(スケーリング・ルートプレーエングごと呼ぶこともあります。

使用する主な器具に、手で操作するハンドスケーラーと、専用の器械を使う超音波スケーラーがあります。

ハンドスケーラーは先のとがった専用器具で、歯石を手でカリカリこそげ取るもの。熟練の技術を要します

しかし、細かくていねいに除去していけるので、超音波スケーラーに比べると効率は悪いですが、深い歯周ポケットの先など細かい部分の歯石除去に適しており、あまり歯や歯肉を傷つけずに行えます。

一方、超音波スケーラーは超音波振動によって歯石を除去します。振動によって発する熱を下げるために冷却水を噴射しながらスケーリングするので、このとき水の中に薬液を溶かせばスケーリングと同時にポケット内の細菌を洗い流すことができます。大量に歯石がついている場合などには威力を発揮します。

手でも器械でも歯や歯肉をまったく痛めずに歯石などを取り除くことはできないので、初期の歯肉炎であればまずはスケーリングではなく、ブラッシングから開始します。

歯周病は不治の病と言われていた時代もありますが、いまは軽い段階の歯周病なら適切なケアで治せるようになりました。歯肉炎レベルの腫れなら、ブラッシングを徹底するだけで健康な歯ぐきが取り戻せます。

そのほかに、レーザー機器を使っても歯石除去や浅い歯周ポケットの減菌、縮小ができます。

超音波スケーラーやエルビウムヤグ・レーザーの強い光を照射することにより、歯石をはじくように取り除くことができます。同時に、細菌数を減らし、炎症組織を焼き取ります。

低出力のレーザーを照射した場合は、傷ついた細胞組織が修復、再生され、歯肉がきれいにもどってきます。ちくっとぃぅ軽い痛みがある程度で、出血もほとんどありません。

レーザー照射した歯は再石灰化が進み、プラークや歯石がつきにくくなる点もメリットです。しかしレーザーは一度に広範囲に使うことができないので、治療できるかどうかは医師と相談の上で行ってください。

3、歯周外科手術

すでに進行した歯周病にかかっているときは、まず歯周ポケットの深さを測定したりレントゲン写真を撮るなどの検査を行い、初期治療を行います。その後再検査をして、歯周外科手術が必要かどうかを診断します。

手術では、専門医は歯肉をはがし、直接歯根面を見ながら深い部位の歯石や汚染組織を取り除いていきます。最近は、GTR法(歯周組織再生誘導療法)とよばれる再生療法を組み合わせることも多いです。

手術後すぐに歯肉で被わず、骨を再生したい部位にメンブレンという膜を置いて、メンブレンの下に新しい歯周組織が満たされるのを待って歯槽骨を再生させるのです。

膜を使わず、エムドゲインというエナメル基質タンパク成分を塗ることで歯周組織を再生させる方法もあります。再検査で数値などが改善したら、次からはメンテナンスのために歯医者さんに通って、よい状態を保ち続けます。

また、薬剤を使った徹底的な除菌療法もあります。3DS(デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)と呼ばれる抗菌療法を利用する方法がそれ。歯型をとってマウスピースをつくり、その中に抗菌剤のジェルなどをいれて歯にかぶせ、虫歯菌や歯周病菌を集中的に除去するやり方です。

ミュータンス菌対策として行われることが多いですが、歯周病の治療後のメンテナンスとして利用する価値はありそうです。歯科医師と患者さんご自身が連携して、虫歯菌や歯周病菌を集中的に除去します。

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