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歯磨き、歯ブラシに関する最新の研究

歯科医療の世界は常に進化しており、10年前に正しかったことが現在では間違いだったなんていうことは日常茶飯事です。

これは歯ブラシ、歯磨きのやり方とて例外ではありません。

そこで、このページでは正しい歯磨きのやり方や世間で言われている歯磨きは食後1時間はしてはいけないといった言説について、正しく解説します。

食後1時間以内に歯は磨いてはいけない?

2010年に放送されたテレビの健康情報番組の影響で、歯磨きの新常識として「食後すぐに歯を磨かないこと」が話題になりました。

「1時間以内の歯磨きはダメ」というその番組でいわれたことがセンセーショナルだったせいか、多くの人が戸惑ったそうです。

ただし、この情報はかなり間違った理解のしかたをされたようです

というのも、食後1時間以内の歯磨きをしないほうがよいとされているのは、「知覚過敏」や、歯周病、または加齢などによって象牙質が露出している根面う蝕・虫歯となどの場合の対処法のひとつの考え方であり、エナメル質をターゲットにした従来の歯磨きとは、 一線を画しているからです。

知覚過敏とは、通常はエナメル質に覆われている象牙質が、なんらかの理由で口の中にむき出しになり、歯ブラシがあたったり冷たい水や風などがしみる状態をいいます

また進行した歯周病などで露出した歯根も、象牙質がむき出しになることが多く、エナメル質に比べ柔らかい組織である象牙質は、虫歯菌のだす酸に侵されやすいことから、このような誤解が生じたのだと思われます

そもそもエナメル質は、約96%が無機質で出来た人体の中で最も硬い組織です。

いっぽう象牙質は、無機質が約70%、有機質が約20%、残る10%は水分で構成されているためエナメル質に比べたら柔らかく、虫歯が易々と進行する、つまり酸に弱い組織といえましょう

さらに象牙質には目に見えないほどの小さな穴が露出しているので、象牙質が口の中に晒されると非常に沁みてしまいます。これが知覚過敏症の正体です。

では、知覚過敏の人や象牙質が露出した人は本当に「1時間以内に歯磨きをしてはダメ」なのでしょうか?

また、知覚過敏以外の一般の人はどのタイミングで磨くべきなのでしょうか

食後できるだけ早く歯磨きするのが正解

人間の口の中は水以外の何かを飲食すると酸性に傾きます。これは砂糖が一切入っていないご飯やパンでも同様です。

酸性になった口内では、酸によって歯の表面が溶かされて、歯の成分(カルシウム・リン)が溶け出してしまいます

これを「脱灰」と言います。しかし口中は徐々に唾液のパワーで中和され、ミネラルが歯に戻って「再石灰化」されます

知覚過敏の人に対して「食後すぐに磨いてはいけない」という説は、「口内で脱灰が起こりやすい食直後のタイミングに歯ブラシで歯を磨くと、かえって象牙質や歯根を傷つけてしまう。そのため唾液で口内が中和されるのを待って歯を磨くほうが歯には良い」という理屈です。

しかしながらエナメル質においてこの考えは当てはまりません

一般的にはできるだけ早く歯磨きをして口の中を中性に戻し、再石灰化しやすい状態にするのが虫歯予防にはもっとも効果的だといえます

歯ブラシに水はつけない 正しい歯ブラシの使い方について

歯を磨く前に、歯ブラシを水で濡らす人が多いようですが、水を含ませると泡が立ちすぎ、長い時間磨けません。

歯磨き剤をつける前に歯ブラシを濡らす習慣があったら、ぜひやめて、乾いた歯ブラシにフッ素入り歯磨き剤を直接つけて磨いてみてください。ふだんょり30秒は長く磨けますよ。

ただし気をつけたいのは、音波式電動歯ブラシを使う場合は、注意が全く逆になるということ。音波式では、唾液などの液体を通して波動の力でプラークを取り除くため、ブラシにたっぷり水を含ませてから歯磨き剤をつけなければいけないのです。

いつ歯を磨くべきか

朝起きてすぐに歯を磨くと、寝ているあいだに増殖した細菌を洗い流す効果があるので、私自身は起きてすぐの歯磨きを念入りに行っています。その分、朝食後の歯磨きは簡単にすませます。

もちろん、朝食後に一回歯を磨く方法も理にかなっています。舌掃除も忘れずに。朝食抜きは口臭のもとです。夜は夕食後なるべく早く。就寝前まで放っておくのはよくありません。

再石灰化を促すため、歯磨き終了後、30分間は飲食禁止です。30分の間に口に残った微量フッ素が歯に作用して、エナメル質を強くしてくれます。

歯磨きをサポートするグッズを活用する

歯磨きに必要なグッズには、歯ブラシ、歯磨き剤、フロスや糸ようじ、歯間ブラシ、フッ素入りのジェルや洗口液があり、それぞれに選び方のポイントがあります。

歯ブラシや歯磨き剤は、ドラッグストアでそのつど安売りしているものを買うという人もいるでしょう。

しかしいくらお買い得でも、必要な成分が入っていない商品では虫歯予防効果が半減してしまいます。商品パッケージをしっかり確認して、効果の高い歯ブラシや歯磨き剤を選んではしいものです。

間違いのない歯ブラシ選び

歯ブラシは、 ヘッドの部分の大きさが男性なら下の前歯4本分くらい、女性なら下の前歯3本分くらいのサイズを選びます。小さめがよいと思っているかもしれませんが、適度な大きさがあるほうが効率よく磨けます。

ブラシの毛先の表面がソフト処理されていて、ブラシの形はまっすぐなものを選びます。

磨いたときに出血があるようなら必ず「やわらかめ」から始め、歯ぐきに当てても痛みがなくなったら「ふつう」に変えてもいいでしょう。ずっと「やわらかめ」でも構いませんが、ミュータンス菌が多いとプラークのくっつき力が強く、いくら磨いてもプラークが取りきれない恐れがあるので、虫歯症の方ではある程度の硬さが必要です。

毛の材質は扱いが簡単なナイロン製がオススメです。歯ブラシの毛先が開いてしまうと、プラークがきちんと落とせないばかりか、歯肉を傷つけることにもなるので、lヵ月を目安に新しいものに替えてください。

一般にはブラシが3列か4列かはあまり重要ではなく、肝心なのは先に述べたように毛が硬すぎず、柔らかすぎず、適度なコシがあり当たりがソフトな歯ブラシが理想です。

柔らかい歯ブラシから始める

どれを選ぶか難しいでしょうが、迷ったら最初は「やわらかめ」を選ぶことです。その後に「ふつう」にアップしてみて、問題がなければ「ふつう」があなたに適した硬さということになります。歯ぐきが痛んだり傷ついた場合は、再度「やわらかめ」に戻します。

ただし4列のほうが歯に当てたときに安定するので、高齢者にはよいでしょう。

ライオンの「デンターシステマ」などは毛先が細くなっているので歯周ポケットの奥まで入り込みやすい製品。歯周病を予防したい人や、歯周ポケットが4ミリ以上ある歯周病の人にはおすすめです。

歯科医院で販売している商品(以下、歯科用商品)に、歯科衛生士さんからの要望で作った女性向けの小ぶりなものがありますので、クリニックで聞いてみてください。

歯列矯正中で歯の表面にブラケットと呼ばれる小さな器具がついてワイアが通っている人は、ワイアのすき間から入りやすいようにとんがり屋根型にカットされた歯列矯正用の歯ブラシがありますので歯科医院などで購入して使ってください。

コツは、とがった毛先を上からと下からの2方向から当て震わせるように磨くことで、ブラケット周囲のプラークが効率よく落とせます。

どの歯ブラシについても、柄の部分はストレートが握りやすく、柄のおしりが四角い感じより丸い感じになっているものが理想的。柄のおしりが丸いほうがいい理由は、のちほど説明するマッサージでそのほうが使いやすいからです。

歯ブラシは歯医者で選んでもらえるならそれが一番

歯ブラシは可能であればお世話になっている歯科医院で歯医者に推薦された歯科用商品を買うのがベストです。

歯科医院にはドラッグストアなどには無い商品が置いてあり、 一人ひとりの患者さんの口にあった歯ブラシを選んでもらえるからです

歯周病のオペ後につかう綿毛のようにやわらかい歯ブラシや、弱い力で磨くのが音手な小学生男子などのために、かなり強い力で磨いても歯ぐきを傷つけにくい「ごしごし磨き」専用歯ブラシ、「ペンフィット」(オーラルケア)など女性患者さん向けの小ぶりなタイプや、「タフト24」(同)の「ミディアムソフト」という「やわらかめ」と「ふつう」の中間の硬さなど、きめ細かいタイプを準備しています。

患者さんの口の中を知り尽くしている歯科医師や歯科衛生士だからこそ、その患者さんのその時々にいちばん適したものを選んでもらえるのです。

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